地震発生時は筑波の研究所にいた。
震度6弱を観測。
尋常ではない揺れを感じ、机の下に隠れた。
本やPC、ディスプレイがあちらこちらから降ってきた。
壁に打ち付けている本棚が倒れた。
電気、ガス、水は止まった。
電車も止まった。
帰れなくなった人を車に乗せて家に帰った。
信号は消えていた。
あちらこちらで事故があり、パトカーや救急車が走っていた。
幸い家族は無事だった。

ペットボトルやカセットコンロは備蓄していた。
ロウソクの灯りでの鍋は温かく、おいしかった。
酒もいつもよりもおいしく感じた。
風呂場に水を張っていた。
トイレの水はバケツで流した。
テレビは付かない。情報は入らない。
携帯もつながらない。
灯油はあるのに電気がない。
石油ファンヒータは使えなかった。
全員分の布団はなかった。もちろん女性が優先。
その日はとてもとても寒い夜だった。

電気は翌日に復旧した。
翌々日に部分給水が始まった。
テレビ放送で地震の大きさを知った。
津波の被害を知った。
福島原発の状況を知った。
情報を知れない怖さ、知らない怖さ、そして知る怖さを知った。
同時に、日常のありがたさも知った。

今、研究者にできること。
それが何なのかを考えた。
 

 


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